「外国人をガイドするにはどれくらいの英語力が必要なのでしょうか?」
「TOEIC700点ですが、ガイドするには足りませんか?」
といった質問をよく受けます。
国家資格である「通訳案内士」、いわゆるプロの通訳ガイドの試験では、英検1級を持っていると英語のテストが免除されます。
それを参考に考えると、英検1級レベル、TOEIC930点レベルということになります。
でも実際にはTOEIC850点前後でも通訳案内士資格を取得できたという方もいます。
英検やTOEICでは測れない、日本を案内するための英語をしっかり勉強すれば合格できる = 国が認めるガイドになれるということです。
それがプロのレベルです。
プロを目指さないけれどガイドがしたいという人は、何に気をつけて勉強したらいいでしょうか。
会話力?
語彙?
日本についての知識?
もちろん上記すべて大事です。訪問先のことを調べたり、日本の文化や歴史について勉強したり…
でももっと基本的なところでとても重要なことがあるのです。
みなさんが一番見落としやすいそれは…
「リスニング」
です。
ガイドは一方的にレクチャーする仕事ではありません。
どちらかというと、ゲストの質問に答える、ゲストとの雑談に応じる、などのゲストとの会話のキャッチボールが仕事の中心です。
つまり、ゲストが話していることが聞き取れなければ、良いガイドはできないということになります。
自分が覚えたことを話すのに一生懸命で、ゲストの方の質問はよく聞き取れないまま笑顔でかわす…これでは「おもてなし」とは言えませんよね。
せっかく日本に来てくださった外国の方に満足していただけるよう、リスニング力を磨きましょう。
リスニング力はスピーキング力に必ず比例します。
リスニングができるようになれば、それにともなって必ずスピーキングもできるようになります。
「英語がペラペラになりたい」「英語がしゃべれるようになりたい」という学生に、私がいつも必ず勧めていた勉強法があります。
それはなんだと思いますか?
ひたすらたくさん話すこと?
違います。
それは…
シャドーイング
です!
英語の音声を聴きながら、少し遅れて真似をする。
テキストをみながら一緒に読むのは間違い。
シャドー(影)ですから、真似しなきゃいけません。
抑揚も、声色も、リエゾンもなにもかも。
そして、次々に新しい音声を試すのも間違い。
覚えてしまうくらい同じ音源を使い続けます。
自分が興味のある内容の音源を選んで、何日でも覚えるくらいまで後につけて真似をしましょう。
とはいえ、題材探しは時間がかかるし大変なこともあります。そんなときは、この本をお勧めしています。一つ一つのトピックがとても興味深く、楽しんでシャドーイングの練習ができますよ。
「同時通訳者のシャドーイング」木内 裕也 (著), 工藤紘実 (著)
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